2024年1月13日土曜日

RAW POWER|IGGY AND THE STOOGES

 THE STOOGES、1973年発売の3枚目、RAW POWER。
 1枚目、2枚目はthe stoogesとしてクレジットされているが、この3枚目は、IGGY AND THE STOOGESとクレジットされている。
 1枚目は、THE VELVET UNDERGROUNDのメンバーだったジョン・ケールがプロデューサーを務めている。ストゥージズのストレートで暴力的なロックだけでなく、ジョン・ケールのヴィオラが入り、サイケな一面もあるアルバムだった。
 そして、2枚目は、アメリカ60年代のガレージバント、The Kingsmenのメンバーだったドン・ガルッチがプロデューサーとして参加している。このアルバムも、私にはストゥージズのストレートで暴力的なロックだけでなく、どこかマイルドな味付けに聞こえる。そしてスティーブ・マッケイというサックス奏者も参加している。かなり攻撃的なサックスなのだが、やはり、サックスが加わることによって、私にはアーティスティックにすら聞こえる。
 そして、この3枚目だ。プロデュースはイギー・ポップ自信、そしてミックスには、David Bowie and Iggy Popとダブルクレジットしている。このボウイによるミックスに賛否両論あり、1997年には、イギー・ポップがリミックスした盤が販売されいてる。
 確かに、オリジナルのボウイが加わったオリジナルのミックスは、ドラムが後ろに引っ込んだような軽いポコポコしたドラムに聞こえ、ギターとイギーのボーカルが前面に荒々しく聞こえ、なんだか不安定な感じがする。機材のせいなのか、ボウイのセンスなのか分からないが、この不安定な音は、よりストレートで、荒々しく暴力的でアンダーグラウンドなアルバムに仕上げているような気がする。
 1枚目も2枚目も商業的には成功せず、2枚目制作以降、メンバーはアルコールやドラッグに溺れ、休止状態になっていたが、ストゥージズ、特にイギーに魅力を感じていたボウイのバックアップによって、バンドが再生された。この頃のボウイは、ヴェルヴェットアンダーグラウンドもそうだが、のちのパンクにつながる音楽に興味を持っていたようだ。1972年には、ルー・リードのアルバムをプロデュースしている。このアルバムは、ボウイのバンドメンバーであったミック・ロンソンも共同プロデューサーになっており、かなり、当時のボウイサウンド、ポコポコ平面なグラムなサウンドになっている。
 もしかして、このRAW POWERをボウイがプロデュースしていたら、そんなサウンドになっていたのかな?そんなことはないか。でも、このアルバムのドラムのポコポコ音が、少し当時のボウイサウンドを想起してしまう。
 結局、RAW POWERも商業的な成功を収めることはできず、ストゥージズは解散してしまうことになる。

1980's Reissue

左上に白抜きのレコード規格番号32111とColumbiaのロゴが入っている。








SIDE 1

ラベルには、カタログ番号PC-32111と、A面の番号AL-32111が記載されている。
デッドワックス(溝のないところ)には、(P-AP) AL-3211 G2F G1 A4と刻まれている。

G1という番号が含まれているが、Discogsで調べると、G1というのは、1981年に稼働し始めたキャロルトン工場でプレスされたことを示しているらしい。ということは、この盤は1981年以降にプレスされた盤ということになる。



SIDE 2

ラベルには、カタログ番号PC-32111、B面の番号BL-32111が記載されている。
デッドワックス(溝のないところ)には、(H-MP) BL-3211 G2D G1 B4と刻まれている。

SIDE 1と同じく、G1という番号が含まれている。

 カタログ番号PC-32111は、1976年の再発から使われたカタログ番号。オリジナルのカタログ番号はKC-32111。そして、その再発の中でも1981年以降にプレスされた、かなりの後発盤ということになる。
 私は、90年代半ばに買ったCDで初めてこのアルバムを聴いたのだが、CDと大きく違うのが、このLPは曲のフェードアウト部分が長かったり、SIDE 2の1曲目のRAW POWERのイントロにイギーの低いうなり声みたいなのが入っている。ただ、残念ながら、このLPはオリジナルではない。再発LPと90年代半ばのCDは、マスタリングが違うのだろうが、この再発盤はとオリジナルは何か違いがあるのか。気になるところだ。
 サウンドは、このLPの方が重厚感があり、また、ギターの音に艶があったりする。アナログの良さが非常に分かる。